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9 : べにぃ@Benixi

べにぃ@Benixi :『Quetzalcóatl』


私は倒れていた。

砂漠で水をもとめてさまよい、結果として脱水症状を起こし倒れてしまったのだ。

このまま砂漠の真ん中で誰の目に付かぬ場所で死んでしまうのだろう。

意識が朦朧とし目蓋を閉じるようとする刹那、一陣の突風が吹き「それ」は現れた。


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腕と脚の翼を広げ私の側に舞い降りた。

身の丈4~5メートルはあるだろうその巨体ながら華奢な体つきで私は見とれてしまった。

「それ」は私を見つめ首を傾げた。

あぁ、こいつが私の最後か、こんな美しいものに見届けられるなら悪くないな。

そう思い再び目蓋を閉じようとする。


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「それ」は私から少し離れると翼を広げた。

私を最後まで看取ってくれないのか、そう思い目蓋を閉じる。

すると何処から途もなく水の沸き上がる様な音が聞こえた。

死ぬ間際の幻聴だと思ったが水の音はさらに大きくなる。

目蓋を開けると「それ」足元から透き通る様な水が湧き上げているではないか。

目を疑う様にその様を見ていると、水の回りから緑が広がり始める

私は残る力を振り絞って這い寄ると水面に直接顔を埋める様に水を飲み始めた。

助かった!


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「それ」はこちらを向き私が水を飲んでるいる様を見ると踵を返した。


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再び「それ」が翼を広げると華奢な体が浮かび上がり突風と共に飛び去っていった。

私は水を飲み干し辺りを見回す。

水の回りに草や木が生えており、直径20~30メートル程はまるでオアシスの様になっていた。

その後私は生き延び小さな町へとたどり着いた。

そこで「それ」に関する噂を聞いて回ったが、皆が死に間際で見た蜃気楼や妄想だろうと言うばかりだ。

諦めようとしたとき一人の男が近づいてきた。

あんた会ったんだってな「それ」に。

あれは何なんですと聞くと男は答えた。

なぁにただのお人好し神様だよ、神は自分勝手に人を助け人を見放す、あんたが会ったのはたまたま人を助ける神様だったてことさ。

確か「それ」の名前は・・・




「 Quetzalcóatl 」

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制作者談

ご参加の方々、また覧の皆様、どうもこんにちはべにぃです。

今回は参加表明が遅れたにもかかわらずJOSE26さんに快く承諾していただき初参加させていただきました。

作品のコンセプトはとりあえず翼を使用してみようという所から始まりまして『羽箒』を初めて使用してこういう形に纏まりました。


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ハーピーとか某ファンタジーゲームのガルーダなんかを参考にしましたが、名前はケツアルコアトルです。

理由はアステカの神様の名前を使いたかったという単純なものです。

完成したのが〆切2日前になったので今後はもっと余裕をもって完成させたいですね。

今回はご覧いただきありがとうございました!




10 : 平米屋平兵衛

平米屋平兵衛 :『ビヤーキー(Byakhee)』


 ユゴス歴1592年、アッバ国サダート王が隣国ルーン王国侵攻に際し使われた蟲龍騎。
このタイプは『ビヤーキー』と呼ばれ、長大な尾部までを入れると約20m近くに達する。


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この騎体はその大きさ故、おもに城塞攻略の任務に使われた。
 目標上の低空を超音速で飛翔、衝撃波で地上に破壊と混乱を与え、ついで地表近くまで降下
飛行時にはマスバランスとしても使われる重く強力な前肢で城塞を破壊 制圧した。
 また、頭部の器官からは強力な生体レーザーを発射、残存兵力を駆逐する。

 この生体戦闘兵器「蟲龍騎」の歴史は古く、ユゴス歴600年代にはすでに文献に登場する。
空からの攻撃に特化したこの兵器体系は、はじめ重騎士の駆逐、陣地の攻略に使われていたが 
後に蟲龍騎が普及してからは対、蟲龍騎の戦闘にも使われるようになっていった。


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 操作は胸郭部に搭乗し、神経叢に搭乗者(騎士)の意思を割り込ませる形で操縦する。
初期のモデルは受信/制御器官とした人間を封印することで魔導師が直接使役したとされる。

 形状も古くは野生の蟲龍の神経への接続改造だけであったが、次第に本体形状への改造も行われるようになり、
1900年代の終盤には人型のタイプも現れている。

 この兵器体系の特徴でもある飛翔能力は、蟲龍の持つ「ヴーン」と呼ばれる
松毬状の重力制御器官によって為される。
結晶化前の液状のケイバーライト液をこの器官で循環させ 重力に指向性を与え揚力を得るのだ。
うろこ状の部品の開きの角度と2つの器官の、位置関係で重力を制御、飛行する。


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製作記
「飛ぶ〜」からの連想で 昆虫>クワガタ大好き>昆虫型のドラゴンという風にイメージを進めました。
プラ板で外形のゲージを組んでエポキシパテで大まかに形出し。
去年飼ってたミヤマクワガタのアゴ部、あと松ぼっくりと松の葉をミキシングしました。


■ブログ名:Minority Report (←http://minorityreport2010.blog135.fc2.com/



11 : あんじぇら

あんじぇら :『淵より来るもの』


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―海面に浮上し、故郷に戻るだけの資材は、自分が横たわっていた海底にいくらでも転がっていた。
―長い道のりだけれども、大丈夫。帰った後のことを考えれば孤独にも耐えられる。
―機関の試運転を開始……もはや体の一部となった機関の振動を感じる。振り返れば艦尾に白い波が立つのが見えた、成功だ。


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かつてこの惑星に生息していた種は、マン・マシーンと総称されるインターフェイスを用いていたとされる。
ヒト型コンピュータとも言われるそれらは、まさしくマン・マシーン(ヒト型機械)であり、頭脳労働に限らず、重機的役割や家事などの労働、戦闘においてさえ用いられる存在であった。


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綾波と呼ばれる該当個体は、メンタルモデルや艦娘と呼ばれる軍艦用のマン・マシーンであり、ソロモン海戦において沈没の後、ダメコンと呼ばれる自己修復機能により修復された姿である。
ヒト型の上半身は、現在の自己の姿を知らないであろう仲間たちへの対話のためと思われる。


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艦としての機能は、尾のように見える部分に集約されており、主推進機関を兼ねるヒト型部分は事実上、艦尾に相当する。
ヒト型部分は本来ならありえないほど巨大化しているが、これはダメコンの暴走によるものであり、「妖精」と呼ばれるダメコンの制御機構を搭載していなかったことに起因する。


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―私が沈むとき、海上で歌っていた彼らは無事本国に帰れただろうか、帰ったらまず、それを調べよう。


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・製作記
ソロモン海の海底から綾波が帰ってくるために海底でダメコンを働かせたら、という妄想をしながら制作しました。
ピットロード 1/700フルハル綾波とコトブキヤ レイキャシール他ジャンクパーツをミキシングしました。
尻尾はアルミ線を芯に石膏粘土で制作、表面をラッカーパテで荒らして塗装してます。
GXダークアイアンをベースに何色か乗せてはシンナーで落としを繰り返し、錆びた質感を狙ってみました。
拙作ではありますが、どうか見てやってください。




12 : 赤の77

赤の77 :『Person's feather』


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ストーリー1

飛んでるね!!って言われてたんだ…。

ブランドを身につけ、クラブに行って、街ブラして、有名企業で働き、女の子誘って、いい車に乗って…

…そう、ネットがみじかになかった時代…無理をしなくなった理由…飛ばなくなった理由…。


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ストーリー2

知ってしまったんだ、インターネットの便利さ、ネットでの人とのつながり、手軽さ…。

…イラナイ…を感じてしまったんだ…


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ストーリー3

イエカラデナイヨ…

買い物はすべてネットですむ。

イエカラデナクテイインダ…

ネットで稼げるから。

イエニイテイインダ…

ネットでコミニケーションとってるから。

イエカラデナイヨ…

知りたいことはググればすぐにわかる。

イエカラデナクテイインダ…

女の子なんてゲームにいっぱいいるしどうにでもなるしさ。

イエニイテイインダ…

ヨーロッパ、アメリカ、アジアなんかワンクリックで。

イエガイイ…

会話なんてすぐに世界中の人とつながり話せる。


…ソウ、スベテガネットトミギテデスムンダ…。

…メトメガアッテキヲツカウコトガナクナッテキタンダ…


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ストーリー4

きがつけば…人との壁、心の壁、ネコをカブる自分がなくなり…

気を使い、辛くて、面倒、ウザい、疲れる…もなくなってしまい…

左手もイラナイ…。

服もイラナイ…。

髪もイラナイ…。

足もイラナイ…。

車もイラナイ…。

太陽、外…イラナイ…。


…僕はオヤユビデカイワヲシモニターデスベテヲシル…。


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ストーリー5

…イラナイ…ヒツヨウナイ…タイカ…トバナイ…


僕は必要なものを残し、退化=進化した。


電波にかこまれ、ネットの海をさまよい、ネットで生きる、楽しむ…


…トバナクテイイヨ…


…コノスガタニナッタリユウ…


…ソウ…飛ばない理由…ナンダ…。






赤の77


13 : KURUKURU

KURUKURU :『浮漁師』

『浮漁師』


T写真1


「この仕事もそろそろ潮時だべが」
運転台のマサシは考えていた。
ここしばらく網にかかるのは雑魚ばかり、
前にかかったのはいつ頃だったのかすら思い出せない。
隣で携帯電話に向かって怒鳴り散らかしている親父によれば、
20年前はここいら一帯には腐るほど獲物はいたらしい。
網を上げれば船に載せ切れないほどの水揚げがあり、
一度漁に出れば半年は遊んで暮らせたそうだ。


T写真2


「おいマサシ、トクさんの網にかかったらしいぞ。
蕪島の辺りだ、網下ろしで向かえ!」
「わがった、タゲシ 網おろせ!空見どげよ!」
「・・・・・」
「おいっ!聞こえでらがっ」


T写真3


舳先に座ってタケシは考えていた。
「俺はいつまで船に乗っているんだろう?」
中学を出て友人達は高校へ進学したが、
彼は当然のように家の船に乗った。
船の仕事は辛いが、乗っている間は何も考えずにすむ。
そして何より彼はあの魚に魅了されていた。


T写真4


網を下ろして船は進む。
彼らの獲物『スカイフィッシュ』を求めて・・・。

1980年代の乱獲によりスカイフィッシュは絶滅寸前になっていた。
それまではマナグと呼ばれる一部の人間にしか見ることが出来なかった魚だが、
一匹で約3tonもの浮遊搬送能力が有ると分かった途端、
この東北の小さな港町に世界中の関心が集まった。
慌てた政府は規制を敷いたが時既に遅く、
当時の価格で一匹三拾万円の魚はまさに飛ぶように売れた。


T写真5


あの魚は何故飛べるのか?
そんな事は漁師の彼らには分からないし分かろうとも思わない。
電子レンジの仕組みを知らなくても、それが便利な道具という事は知っている。
そんなもんだ・・・。






Appendix

プロフィール

Tobanairiyuu  (JOSE26)

Author:Tobanairiyuu (JOSE26)
「飛ばない理由Vol.3」会場です。(2015)

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