Militetsu 『ドイツ陸軍試作飛行観測船E-401』

~ストーリー~
現地部隊にも明らかにドイツの敗北が目に見えるようになった頃・・・
中尉の船に誰か近づいてくる。砲兵の服装だ。少年の様にもみえる。階級は軍曹のようだ。前回はもっと年上の人が来たのだが、と言うことは彼はきっと・・・


「哨戒お疲れ様でした。今晩はゆっくり休んで下さい。」
今日は幸い敵部隊に遭遇しなかった。地上部隊に出くわしたらまだしも、戦闘機隊なんかに出くわしたらひとたまりもない。この前はなんとか逃げ切れたが。
「しかしこの観測船で敵戦車部隊を撤退させたのはお見事です。」と軍曹。
「・・・単に敵がビビっただけだ。」
実際敵が驚いて逃げていったようなものだった。これに積んでる主武装は元々ウェスぺに積んであった10.5cm野砲を現地で無理矢理取り付けたもの。戦車に直接当てないと限りほとんど効果はない。歩兵部隊には有効だが。護衛武装も前方に7.7mm機銃四門と後方も旋回機銃一門のみ。実際戦闘なんて出来る代物ではない。

しかしこんなものでも長く乗ってると愛着が沸くものだ。なにせ整備が要らないのも助かる。なぜこのようなもので飛べるのかは不明だが(鉄道会社の協力によって製造されたらしい)。電車と飛ぶ理由がどう絡んでいるかは全く不明だし、機密事項らしい。ただ量産が困難らしいため、結局この一隻で製造が打ち切られてしまった。
日が沈む。軍曹とは今後の作戦の話や雑談など、とにかくいろいろ話した。ちょっとは安らぎにはなった。


話しながら、ふと船の後方の遠くから何か5・6つほど飛んでいるのを見た。鳥か?そう思いながら上機嫌になりつつ双眼鏡をのぞきこんだ。鳥じゃない。中尉の顔つきに気づいた軍曹も手持ちの双眼鏡を見る。見えたのは羽に白い星が描かれた鳥たち。アメリカ軍戦闘機「マスタング」だ。すかさず船の起動の用意をしながら中尉はこういった。
「軍曹、残念だがいったんお別れだ。また後で合流しよう。」
これを最後に、中尉は消息不明になった。
~あとがき~
こんにちは。Militetsuです。大学受験に励んでいたため、3月に土壇場で参加させて頂き、作品も若干手抜き感のあるものになってしまいましたが、初のオリジナルメカということもあり非常に楽しんで作る事が出来ました。ホセさんをはじめ参加を手伝っていただいた皆様には本当に感謝しています。
まだ未成年のヒヨッコモデラーですが、今後も何とぞよろしくお願いいたします。
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