kensone :『原子力飛行船 ”The Song Remains The Same"号』
20世紀初頭、ツェッペリンと呼ばれる大型の硬式飛行船が開発された。第一次世界戦争中は偵察や輸送に使用されたが、大戦後は遊覧船として人気を博していた。1937年、当時世界最大と謳われた飛行船「ヒンデンブルク号」の悲劇的な墜落事故が発生した。原因は浮力を得るために使用される水素ガスに静電気が引火したことで爆発を引き起こしたと推測されている。この事故を機に長らく大型飛行船の建造は中止されたが、20世紀半ばに原子力によって反重力装置を駆動させる新しい方式の飛行船が開発された。

発電ユニットからの放射能漏れを防ぐために船体は鉛で覆われており、別名”鉛の飛行船(Lead Zeppelin)”と呼ばれる。操縦は簡素化されており、乗組員は4名で運行可能であった。1968年に就航し、世界を股にかけてクルーズしていたが、動力装置の消耗が激しく毎年のように新しい船体に更新された。1980年、8代目の船体での航行中に乗組員の一人が事故で亡くなった。彼は非常に愛妻家であり、長いツアーの寂しさを紛らすために多量のアルコールを摂取していたが、ある時就寝中に吐瀉物を喉に詰まらせ、そのまま帰らぬ人となってしまった。4名の乗組員は結束が固く、残った3名は新しいメンバーを補充してチームを続けることはできないと判断し、運行の中止を決定した。そのときすでに9代目の船体が建造中であったが、この事故を受けてキャンセルされた。

事故から約30年後、当時の9代目となるはずだった船体が復元され、3人のメンバーと亡くなったメンバーの息子によって一度だけ記念飛行を行ったが、そのときは世界中から抽選で選ばれた乗客だけがツアーに参加することが出来た。

写真は5代目の船体、”The Song Remains the Same”号である。船首に設けられた巨大な刃と船底から突き出した放電ユニットが特徴である。この時代の反重力装置は垂直方向の移動しか出来ず、両翼に備えられた2基のジェットエンジンによって前進する。

作品解説
HOBBY BOSS製 1/350 ロシア海軍 アクラ級潜水艦を逆さにして流用パーツを貼り付けています。ストーリーの元ネタはそのまんまです。
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