べにぃ@Benixi :『Quetzalcóatl』私は倒れていた。
砂漠で水をもとめてさまよい、結果として脱水症状を起こし倒れてしまったのだ。
このまま砂漠の真ん中で誰の目に付かぬ場所で死んでしまうのだろう。
意識が朦朧とし目蓋を閉じるようとする刹那、一陣の突風が吹き「それ」は現れた。

腕と脚の翼を広げ私の側に舞い降りた。
身の丈4~5メートルはあるだろうその巨体ながら華奢な体つきで私は見とれてしまった。
「それ」は私を見つめ首を傾げた。
あぁ、こいつが私の最後か、こんな美しいものに見届けられるなら悪くないな。
そう思い再び目蓋を閉じようとする。

「それ」は私から少し離れると翼を広げた。
私を最後まで看取ってくれないのか、そう思い目蓋を閉じる。
すると何処から途もなく水の沸き上がる様な音が聞こえた。
死ぬ間際の幻聴だと思ったが水の音はさらに大きくなる。
目蓋を開けると「それ」足元から透き通る様な水が湧き上げているではないか。
目を疑う様にその様を見ていると、水の回りから緑が広がり始める
私は残る力を振り絞って這い寄ると水面に直接顔を埋める様に水を飲み始めた。
助かった!

「それ」はこちらを向き私が水を飲んでるいる様を見ると踵を返した。

再び「それ」が翼を広げると華奢な体が浮かび上がり突風と共に飛び去っていった。
私は水を飲み干し辺りを見回す。
水の回りに草や木が生えており、直径20~30メートル程はまるでオアシスの様になっていた。
その後私は生き延び小さな町へとたどり着いた。
そこで「それ」に関する噂を聞いて回ったが、皆が死に間際で見た蜃気楼や妄想だろうと言うばかりだ。
諦めようとしたとき一人の男が近づいてきた。
あんた会ったんだってな「それ」に。
あれは何なんですと聞くと男は答えた。
なぁにただのお人好し神様だよ、神は自分勝手に人を助け人を見放す、あんたが会ったのはたまたま人を助ける神様だったてことさ。
確か「それ」の名前は・・・
「 Quetzalcóatl 」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
制作者談
ご参加の方々、また覧の皆様、どうもこんにちはべにぃです。
今回は参加表明が遅れたにもかかわらずJOSE26さんに快く承諾していただき初参加させていただきました。
作品のコンセプトはとりあえず翼を使用してみようという所から始まりまして『羽箒』を初めて使用してこういう形に纏まりました。


ハーピーとか某ファンタジーゲームのガルーダなんかを参考にしましたが、名前はケツアルコアトルです。
理由はアステカの神様の名前を使いたかったという単純なものです。
完成したのが〆切2日前になったので今後はもっと余裕をもって完成させたいですね。
今回はご覧いただきありがとうございました!
スポンサーサイト
皆さんもコメントしてますが、シルエットがかっこいいし、カラーリングも西洋絵画風でストーリーとも凄いマッチしてます。