KURUKURU :『浮漁師』『浮漁師』
「この仕事もそろそろ潮時だべが」
運転台のマサシは考えていた。
ここしばらく網にかかるのは雑魚ばかり、
前にかかったのはいつ頃だったのかすら思い出せない。
隣で携帯電話に向かって怒鳴り散らかしている親父によれば、
20年前はここいら一帯には腐るほど獲物はいたらしい。
網を上げれば船に載せ切れないほどの水揚げがあり、
一度漁に出れば半年は遊んで暮らせたそうだ。
「おいマサシ、トクさんの網にかかったらしいぞ。
蕪島の辺りだ、網下ろしで向かえ!」
「わがった、タゲシ 網おろせ!空見どげよ!」
「・・・・・」
「おいっ!聞こえでらがっ」
舳先に座ってタケシは考えていた。
「俺はいつまで船に乗っているんだろう?」
中学を出て友人達は高校へ進学したが、
彼は当然のように家の船に乗った。
船の仕事は辛いが、乗っている間は何も考えずにすむ。
そして何より彼はあの魚に魅了されていた。
網を下ろして船は進む。
彼らの獲物『スカイフィッシュ』を求めて・・・。
1980年代の乱獲によりスカイフィッシュは絶滅寸前になっていた。
それまではマナグと呼ばれる一部の人間にしか見ることが出来なかった魚だが、
一匹で約3tonもの浮遊搬送能力が有ると分かった途端、
この東北の小さな港町に世界中の関心が集まった。
慌てた政府は規制を敷いたが時既に遅く、
当時の価格で一匹三拾万円の魚はまさに飛ぶように売れた。
あの魚は何故飛べるのか?
そんな事は漁師の彼らには分からないし分かろうとも思わない。
電子レンジの仕組みを知らなくても、それが便利な道具という事は知っている。
そんなもんだ・・・。
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毒猿さんの一連の作品に刺激を受けて、いつか漁船作りたいと思っていました。いつかは生で拝見したいと思っています!
少年フィギュアは市販のキットまんまでした(;^_^A。コトブキヤのメタルギアソリッドの一体ですが、他のフィギュアも良い感じでオススメです!
>OG-westさん
ありがとうございます!。屋外撮影は粘ってみたのですが、風がおさまらず断念しました。近いうちにリベンジしてきます!
僕が一番見てみたいし…(;^_^A
>ざっしゅ さん
ありがとうございます!フィギュアヘッドの出来におんぶに抱っこしてみました( ´ ▽ ` )ノ。網はどうしようかと思いましたが作ってみて正解でした♪