miwakazuki :『魚屋の車』1970年7月未明、正体不明の飛行体が公道を駆け抜けた。
それはけたたましい轟音を上げ、どこまでも長く伸びる直線道路に消えていった、、
今回、当時事件を目撃したという関係者から当時の様子を聞くことができた。
一体何がそこにあったのか、日が昇る前に街の住人の半数を目覚めさせたあの轟音の正体は一体なんだったんだろう。証言をもとに事件の真相に迫っていきたいとおもう。
時代は大坂万博が開かれている頃、人々は21世紀への憧れ、成長した未来都市、タイムマシーンなど様々な可能性を自由に想像いていた。新しい文化が流れ込んだ万博開催中、下町の工場街に見たこともない物体が不法投棄された。
町工場が連なる街の住人たちの間で瞬く間に噂になり町人たちの間で町興しの一環であるプロジェクトが始まったという。町興しと言えば響きがいいだろうが、これは技術者たちのレクリエーションのようなものだったんではないだろうか。
それは「謎の物体を使って飛行機を作ろう」というテフロン加工フライパンが流行で売れ行きが悪くなった金タワシ屋の主人の一言だった。
軍工場での飛行機製造経験者も何人かいた為、何のためらいもく製作が始まった。
機体のベースになったのは魚屋の保有していたオート3輪ミゼット。
「小さいし羽つけたら飛ぶんじゃないか?」
そんな飲み会の席の会話で決まった。
板金屋と車修理屋のタッグで外観はすぐに完成したという。
言ってしまえばハリボテ状態だ。
謎の物体を搭載させる前までは、、
物体をなんとかうまいこと取り付けた町人御一行は羽のついたミゼットを公道に運び込んだという。
謎の物体には「引っ張ってください」と言わんばかりにあからさまにレバーが付いていた。
謎の物体から轟音が響きわたりガスバーナーのような火がノズルから吹き出した。
「これはジェットエンジンだ!!」
誰かが叫んだときには火は大きくなりミゼットはゆっくり動き出していた。
その約2秒後、轟音はさらに大きくなりミゼットは加速を始め、3車線の公道の真ん中を突っ走っていく。ハリボテのような羽の形状のお陰か機体は倒れそうになりながらもギリギリのバランスを保っていた。いよいよミゼットの最高速度も超え機体は公道を走り続けていく。
ミゼットについた羽からはミシミシと嫌な音が鳴り1kmを走ったところで道が無くなった。
結果、川に突っ込んだ。飛べなかった。ただ落下のショックで外れたジェットエンジンは川の対岸まで飛んでいったという。



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町工場かぁ。。
外で撮ったら良かったのに!w