ミツタケ :『サイボーグレーサーの物語・序章』
撃墜王との死闘の末敗れてしまい全身の大部分を失ってしまったが、脳と生殖能力は辛うじて残せた。
良い時代になったもので、これからは機械の体で第二の人生。
だがもう命のやり取りはたくさんだ。
戦前、エアレースのパイロットに憧れていた俺は飛行義体でのエアレース参戦を志したがすぐに無理だと分かった。
墜落がトラウマになり30メートルより高く飛べないのだ。
脳だけになってしまった状態でのトラウマ克服はほぼ不可能と言われており、夢は潰えた。
バブル期に人気を博したホバークラフトレース『スーパーゲーム・マッハビジョン』の再開は夢を失って燻っていた俺にとって新たな挑戦だと映った。
スーパーゲームZを走るマシン『マッハZ』は通常人体の限界を超えた加減速のため無人化され無線でコントロールされる。
ラジコンカーのレースなら魅力を感じない。
しかし義体技術の発達により、脳機能を載せて走る『サイボーグ・マッハZ』が再開後は使用可能になったのだ。
俺は『マシンに乗って競う』という行為に心惹かれた。
レース用ホバークラフトの操縦は戦闘機械のそれに近い。
そしてその走行高度は20メートル以下と定められていた!
戦争中に知り合った金持ちにコネのある戦友を頼ってスポンサーを集めた。
そしてスポンサーから貰った金と傷病除隊見舞金を頭金にして多額のローンを組みマッハZの義体を手に入れた。



スポンサーの意向で毒々しい塗装をされたボディは気恥ずかしさを感じるが、レースになれば気にする事は無い。周りもみんな似たようなものだ。
新たな戦いが始まる。
まもなくスタート旗が振られる。
第二の人生を掛けるハイスピードバトルに俺の心は震えるのだった。[序章・終]


製作記
今回も『飛ぶ理由』ぽくなくて恐縮です。
『TWO FACTORY―横山宏 小林誠の世界』に掲載されている夢工場87で催された『マッハビジョン』のレースカー『マッハZ』をイメージを広げて作ってみました。
マッハZは東京マルイからキットが出ていて、それを改造しようかと思ったのですが結局ミキシングビルドで作ってます。
オリジナルのレースマシンというのは一回作ってみたかったので面白かったです。
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この度の主催、お疲れ様でした!
おかげさまで一個楽しんで作れました。
レーシーに見ていただけたなら幸いです。
毒猿さま
コメントをありがとうございます。
マーキングはほぼデカールで作りました。
やり方はまた今度の機会にでもぜひお話させてください(*´ω`)